神経生理学的検査

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 神経生理学的検査とは、神経系の電気的な活動を調べることで、その働きの異常を明らかにする検査です。
 コケイン症候群では、中枢神経(脳・脊髄)と末梢神経で、神経の線維を覆う鞘(髄鞘)が変性していきます(脱髄)。このため、神経系を刺激した時に起こる電気反応に遅れや乱れを生じます。
 中枢神経に起こる電気反応を記録する検査を誘発電位検査といいます。これには、音に対する反応、光などの視覚刺激に対する反応、感覚刺激に対する反応があり、それぞれ、脳幹聴覚誘発電位、視覚誘発電位、体性感覚誘発電位と呼ばれます。コケイン症候群の患者さんでは、これらの電位に、伝導の遅れや振幅の低下をきたします。特に音刺激に対する脳幹聴覚誘発電位は、年齢を重ねるに従い悪化していくことが知られています。難聴のフォローのための検査として繁用されます。また目の網膜に変性を生じると、網膜の電気反応をあらわす網膜電図にも異常が見られます。
 末梢神経を刺激した時に生じる電気反応を記録する検査を、末梢神経伝導検査といいます。コケイン症候群の患者さんでは、末梢神経障害の症状(筋力の低下や感覚障害)が明らかになる前からこの検査で伝導の遅れを認めることが多く、これが診断の手掛かりになります。
 コケイン症候群の患者さんの数%にけいれんが見られます。脳波では基礎活動がゆっくりとなる"徐波化"を認めることが多いですが、てんかん発作の原因となる異常活動を認めることもあります。


都立神経病院 神経小児科 熊田聡子

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