頭部CT,MRI


Cockayne 症候群の画像

○画像の特徴

  1. 頭部CTで、大脳基底核に石灰化を認める。その他、小脳歯状核、皮質下白質にも石灰化を認めることがあるが頻度は少ない2)。石灰化は3才以降に認めうるとされるが、個々の患者によって出現年齢は異なる。

  2. 頭部CTや頭部MRI で、大脳や小脳、脳幹に進行性の萎縮を認める。

  3. 頭部MRIで、脳室周囲や皮質下の白質にT2強調画像で高信号を認める。

○画像上の鑑別診断
早期の基底核石灰化と軽度萎縮所見からは、ミトコンドリア異常症、副甲状腺機能低下症、Fahr病、Down症候群、先天感染症などがあげられる。
特徴的な臨床症状から比較的容易に鑑別可能である。

(解説)
Cockayne症候群の脳病理の特徴は、大脳・小脳萎縮と白質容量減少、虎斑状の脱髄像、大脳全体、特に基底核を中心とした石灰化である。
頭部画像ではそれらを反映した所見を呈する。

脱髄が先天的(dysmyelination)なものか後天性・進行性(demyelination)のものかについては議論があるが、自験例を見ると両者の要素を併せ持っていると考えられる。
頭部画像病変は進行性であるが、精神神経症状の進行と必ずしも比例はしない3)
最後に、自験例の頭部画像を示す。


CS I 型 3歳5ヶ月
(1) 頭部CT


軽度の萎縮が疑われるが、この時点で石灰化は認めない。


(2) 頭部MRI
・T2強調画像軸位断


大脳の萎縮と、脳室周囲〜皮質下にかけて白質高信号を認める。


・T1強調画像矢状断


脳梁の軽度菲薄化、小脳萎縮、脳幹の軽度萎縮を認める


4才9ヶ月
(1) 頭部MRI
・T2強調画像軸位断


大脳萎縮の進行と、脳室周囲〜皮質下にかけての白質高信号を認める。内包後脚が高信号化している。


・T1強調画像矢状断


脳梁の菲薄化、小脳萎縮、脳幹萎縮を認める。やや進行して見える。


5才3ヶ月
(1) 頭部CT


大脳萎縮と両側基底核の石灰化を認める。


参考文献)

1)井合瑞江:Cockayne 症候群.小児内科2007 Vol.39 増刊号 pp539-541
2)Damarel P, Kendall BE, Kingsley D: Cranial CT and MRI in diseases with DNA repair defects. Neuroradiology 34: 117-121, 1992
3)Sugita K, Takanashi J, Ishii M, Niimi H: Comparison of MRI white matter changes with neuropsychologic impairment in Cockayne syndrome. Pediatric Neurology 8: 295-298, 1992


国立成育医療研究センター 神経内科 寺嶋 宙


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