難聴

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 古典型コケイン症候群(CS type I)では、60%程度に感音性難聴がみられます。主に高音域の両側性難聴が早い場合には幼児期より出現し、20歳を過ぎるころには完全難聴になってしまうことも少なくありません。聴性脳幹反応(ABR)を経時的に検査した報告では、年齢とともに悪化するABR測定の閾値の上昇とIII波以降の潜時延長を認めています。これらの所見は急速に進行する感音性難聴の存在と脳幹部の進行性退行性病変を示唆しています。また一方では病理学的に聴覚系の末梢受容器である内耳そのものの変性も認めることから、コケイン症候群にみられる難聴は後迷路性病変、すなわち蝸牛神経と脳幹部を含む中枢神経系における聴覚伝導路の退行性病変から内耳・聴神経病変(末梢性)に広がるものと考えられます。コケイン症候群では知能障害や難聴に伴う言語発達の遅れや小脳性の構音障害を伴う場合が多いため、軽度の聴覚障害の兆候をとらえるにはABR検査等を経時的に行うことも有用です。玉井らは進行性感音難聴をともなうコケイン症候群兄妹例に補聴器装用指導を行い、聴性行動、発声行動、言語行動に発達変化がみられたことを報告しています。しかし難聴が進行してくると補聴器装着が困難になるのが現状です。聴覚障害の早期発見および経時的評価が重要と思われます。


都立府中療育センター小児科 田沼直之
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