皮膚ケア

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 生後6ヶ月後頃より重篤な光線過敏症が生じるCS患者の皮膚ケアの原則は紫外線防御であり、その方法には物理的防御法と化学的防御法がある。前者(物理的遮光)はまず生活環境の中での「紫外線」の存在を意識し、季節、時間、場所、状況(活動が屋内か屋外か)などでその強さの違いを知ることから始まる。日中の外出制限、紫外線遮光フィルム、日傘、長袖の衣服、帽子、手袋、紫外線カット眼鏡の使用を考慮する。一方、後者(化学的遮光)は外出時にサンスクリーンや遮光リップクリームなどを用いる方法である。
 CS患者ではヌクレオチド除去修復系が十分に働かないため、紫外線、特にピリミジン2量体や6−4光産物などのDNA損傷を引き起こしやすいUVB〜UVA2領域からの防御が必須となる。紫外線対策として、

  1. 外出時には高SPF値、高PAグレードのサンスクリーン剤(1)を外用し、長袖、長ズボン、帽子、紫外線防護服、UVカット眼鏡を着用する
  2. 屋内では窓ガラスへUVカットフィルムの貼付し、太陽に面した窓には遮光カーテンを使用する、

などがポイントである。適切な遮光を怠れば脳神経症状の進行を招く可能性が示唆されている。
 光線過敏症状が生じれば日光露光部皮膚に紅斑、落屑、時に水疱形成がみられるが、そのような際には3〜4群のステロイド外用剤(2)を塗布する。
年長になれば肝機能、腎機能の低下に関連して皮膚の乾燥が進むが、この変化は保湿剤で対応可能である。著明な皮下脂肪の萎縮に対する有用な治療法はない。


(1)SPF(sun protection factor)は紫外線B波(UVB)(短時間で皮膚に紅斑などの炎症を起こさせ、黒化につながる波長領域)から皮膚を防御する指数でCS患者では40〜50+のものが推奨される。PA(protection grade of UVA)は紫外線A波(UVA)(一時的な黒化を引きおこし、皮膚老化につながる波長領域)から皮膚を防御する指数でCS患者ではPA+++が望ましい。
(2)リドメックス軟膏、キンダベート軟膏など比較的弱めの副腎皮質ステロイドを数日間使用する

大阪医科大学感覚器機能形態医学講座皮膚科学 森脇真一
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